髪の毛から体も健康へ。ナチュラルなヘアケア製品で、私たちの健康が変わるかも?
Life Style 2022.10.20 UPDATE
普段、何気なく使用しているヘアカラー。無意識に使ってしまう前にどんな成分が含有されているかに注目しましょう。健康な体を作るために必要なのは、食べ物だけでなく、頭皮から吸収される「ヘアケア」製品がとても重要なのです。
ヘアカラーの危険性について行政機関が注意喚起
数年前、消費者庁安全委員会は「毛染めによる皮膚障害」に関する事故等原因調査報告書の中で、「ヘアカラーが危ないのではないか?」という、染毛剤についての注意喚起を行ないました。
その内容はというと、「毛染めによる皮膚障害」に関する事故など、つまり、ヘアカラーによる皮膚障害(かぶれなど)の事例が毎年200ほど報告されているというものでした。対策として、パッケージに危険性を表記するなど、正しい知識を消費者に、という内容も記載されています。ホームページにも、
「酸化染毛剤(ヘアカラー、ヘアダイ、白髪染め、おしゃれ染め、アルカリカラー等と呼ばれる。)は、最も広く使用されていますが、他のカラーリング剤と比べてアレルギー性接触皮膚炎を引き起こしやすくもあります。」※消費者庁:毛染めによるアレルギーに御注意!
というような記載がなされていて、甲府市、船橋市、広島市などの地方自治体もそれぞれのホームページで繰り返し、注意喚起をしています。
染毛剤のうち、医薬部外品に分類される「酸化染毛剤(ヘアカラー)」は、アレルギーや刺激性皮膚炎を起こすケミカルな成分を含んでいて、特に最も毒性が強いとされる「パラフェニレンジアミン」には、発ガン性の疑いや重篤な被害も報告されています。これらについて、消費者がヘアカラー(染毛剤)のメリット・デメリットをきちんと理解して使用することが求められているといえるでしょう。
まだまだ結びつかない「髪の毛」と「健康」のつながり
ケミカル原料・添加剤の入った染毛剤がよく使用されている背景には、その危険性を理解することなく、「早く」「簡単に」髪の毛を染めるものを、消費者の多くが求めていること=需要の多さにあります。近年、体に取り入れるものとして、「食べること」についての意識は大きく変わりました。
ベジタリアンやヴィーガンメニューが増え、そのクオリティも年々高まっているので、進んでベジタリアン・ヴィーガンメニューを選択する人たちも増えてきています。
こうした、ヘルシズム・ムーブメントの裏側にあって、普段頻繁に使用するヘアケア商品については、まだまだ「健康」と結び付けて認識されていないのが現状です。染毛剤は、髪の毛を簡単に好きな色に染められますが、ケミカルな成分は髪のタンパク質を破壊しながら染めていくため、髪がきれいになるどころか、頭皮も痛めてしまうことになるのです。
そして、そのときにできた傷を修復しようと、無意識にコーティング剤やシリコンを含むシャンプーやトリートメントを使用してしまうと、さらに傷つくことになるのです。ですから、消費者が喜ぶようなコピーが書かれたヘアケア剤には、実は落とし穴があります。
一般的なヘアケア剤は、コート剤を髪に付着させて滑らかさを出しますが、一方で「キューティクルを剥離させる」、「毛穴に詰まってしまう」などの悪影響を与えてしまいます。また、強い洗浄成分を持つシャンプーを使えば、必要なバリア機能を破壊するので、髪と頭皮を乾燥させ、さらに傷めてしまいます。
後からカバーでするのではなく最初から髪を痛ませないことが大切
一時的には「髪が美しくなった」と錯覚するので使い続けてしまいますが、実はどんどん傷め続けているのです。高価な商品でも、ケミカルな成分を含む限り根本的な問題は解決されません。誰もが生まれたときの髪は健康なのに、毎日使うシャンプーやヘアカラーに含まれるケミカルな成分でダメージを与え続けています。
髪が傷んだからトリートメントをするのではなく、まず、それらケミカル成分を含むヘアケア商品を使用して髪を傷ませないこと。そして、ナチュラルなオーガニックヘアカラーを使うことがベストだといえるかもしれません。一時はヘナ染めが話題になったり、今もオーガニックの商品が人気になったりしています。
普段使用するヘアケア商品にも、食べ物と同じレベルで安心なものを選び、きちんとした価値判断をもって、選択することが大切です。体を健康にするには、取り入れるものすべてに注意する必要があるのです。