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サスティナビリティな農産物「ヘンプ」について知っておきたいこと

朝食をとっている女性

日本で「麻」が広まったのは、今から約1万年前。古くは神社の鈴の緒や横綱の化粧回しに使われるなど、生活になくてはならない伝統作物でした。現在では、麻繊維としての「リネン」が一般的ですが、リネンは天然素材のなかで最も強く丈夫なことから、ブラウスや肌着などの衣料品として利用されています。麻繊維の特徴はというと、吸水性がよく、汗をかいてもすぐに乾くため、夏向けの衣料に適している点。リネンのほかにさまざなな品種がありますが、その中でもマルチに活用できる「エコ植物」として注目を集めているのが、今回ご紹介する「ヘンプ」です。

ヘンプは根、種、茎、花穂まで、すべての部位を利用することができるため、衣料品からバイオ燃料まで幅広い分野で使用されています。栽培時に農薬や化学肥料を必要としないため、近年では環境に優しいオーガニック作物として注目されています。

日本では一部の地域で、休耕時に麻を栽培する慣習がありましたが、ヘンプは土壌中に埋まった毒性の高い「硝酸性窒素」を低減させ、土地自体の活力を取り戻すはたらきがあることが研究で分かってきました。またヘンプは年間雨量がわずか100~200ミリの地域でもすくすくと育つため、「砂漠に花を咲かせる植物」として、緑化への貢献も期待されています。

さらに今、海外で話題になっているのが、食用の麻の実である「ヘンプシード」を取り入れること。栄養バランスの良さから、ミラクルフードとも呼ばれているヘンプシードは、わずか一粒にギッシリと豊富な栄養素が含まれています。大豆よりも消化吸収に優れた良質なたんぱく質をはじめ、人の体内では生成されない鉄やマグネシウムなどのミネラル、身体を動かすために欠かせない9種類の必須アミノ酸など、どれも普段の食事では補うのがなかなか難しい栄養素ばかりなのです。

麻の実の写真

またヘンプシードは食物繊維が豊富なため、体内デトックスにもおすすめ。麻の実を原料にした漢方便秘薬の「麻子仁丸」が有名なように、ヘンプシードには体内をデトックスして代謝を高めてくれる働きが備わっています。そんなヘンプシードから作られた飲料が、美味しくて飲みやすいと評判で次世代ミルクとも呼ばれる「ヘンプミルク」です。欧米ではすでにポピュラーな飲み物として親しまれていて、アーモンドミルクなど、数ある代替ミルクの中でもとりわけ栄養価が高いことから、ヴィーガン志向の方々にも人気があります。

ヘンプミルクにはカルシウム、鉄分、ビタミンDなどさまざまな栄養分が含まれていますが、中でもダイエットやアンチエイジングに欠かせないのが、必須脂肪酸と呼ばれる「オメガ3」と「オメガ6」。ヘンプミルクに含まれるこれらの脂肪酸は、植物由来のため動物性よりも良質で、身体に吸収されやすいのが特長です。コップ一杯でバランス良く摂れるため、毎日簡単に続けられるのも嬉しいところ。

朝食の食卓の写真

ヘンプミルクは自宅でも手作りできますが、朝食に飲むならやっぱり手軽な紙パックタイプがおすすめ。そのまま飲んでも、フルーツと混ぜてスムージーにしてもOK。サラリとした口当たりで、やさしい香りがふわっと広がります。朝食にぴったりのヘンプミルクをあなたの食卓にも取り入れてみてください。


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