大好きな家で猫と暮らす。40代独身女性のマンション購入記
「住宅とは生活の器である」という言葉があります。住まいは住人にさまざまな彩りを与えて、人生を豊かにさせてくれるものですが、その主役はもちろん「器」ではなく、そこに住む一人ひとりの人間です。
数十年前と比べて女性の社会進出が進んだ結果、昔は一家の大黒柱である男性がローンを組んで買うスタイルが固定化されていた住宅も随分とイメージが変わってきました。
実際に女性、特に独身女性が住宅やマンションを購入する例も増えてきています。今回は仕事もプライベートもしなやかにこなす、ステキな女性のマンション購入記、体験談をお伝えします。
「やっぱり“自分の家”って言いたくて」と話すのは、石島さん。2011年に実家からほど近い柏市のマンションを購入しました。
もともとは2000年に30代で実家を出て、賃貸アパートで飼い猫2匹と一人暮らしをはじめた石島さん。しかし、当時から賃貸アパートの「借りぐらし感」が嫌だったと振り返ります。
マンション購入のきっかけは3つ
「友達と遊んでいても、自分の家って言えない感じがしていました。それで、買った方がいいのかな、そんな自分の気持ちをうすうすと感じてはいたのですが……」。
そして2011年、マンションを購入。そのきっかけは3つあったといいます。
1.「自分の家」って言いたい!
「自分の家」って言いたい!とても素直で素敵な理由だと思います。住宅は生活の器で主役は住む人、その言葉通りです。石島さんは賃貸アパート生活で当初から感じていた「借りぐらし感」がやはり嫌だったようです。
「それにちょっとでも家賃を払えなくなると、追い出されそうじゃないですか?」とおどけるように付け加えた石島さん。マンションを買っておけば、その点は安心感があったと言います。
「ローンをちゃんと払い終えられるかな?という不安はありましたが、賃貸でも家賃を毎月払うことを考えれば同じことだと思って」とのこと。
2.飼い猫にもっと快適な暮らしを!
2つ目は、愛猫家の石島さんならではの理由がありました。「飼い猫が年を取ってきた時に、やっぱり快適な暮らしをさせてあげたいなと思ったんです。」
実際、購入したマンションは中古マンションですが床暖房がありました。「冬はタイマーで昼頃から床暖房をつけています」と笑う。「部屋も広くなったので、キャットタワーも大きいものを設置しました。すごく喜んでくれています」と、飼い猫にも好評のようです。
3.占いで背中を押された!
購入理由としては少し不思議な気もする「占い」について、石島さんは当時を振り返ります。
「当時、占い屋に2軒行きました。1軒目は占いをした後に印鑑を作れるサービスがあり、実印含め印鑑を3本作ってもらいました。その頃から、これでマンション契約しちゃう?なんて友達とかに冗談半分で話していましたね(笑)。その後にもう一方の、昔から仲の良い占い師さんに購入の件を相談してみたら“買うなら南西がいい”とアドバイスをくれました」
そして、その占い師は次のように話を続けたそうです。
「ここ半年から1年くらいの間に買わないと、あと3年は買えない」と……。それを聞きあわてた石島さんは、物件探しをはじめることにしたのだそうです。
信頼している占い師さんからの言葉が背中を大きく押してくれたようですね。
物件を選ぶ上でのこだわり
折しも、お友達が女性単身でマンションを買うというタイミングで、モデルルーム見学にもつきあっていた石島さん。そんなことが重なり、本人にも火がついたよう。すぐに物件探しをはじめた石島さんには、お部屋のこだわりがいくつかありました。
- お風呂に窓がついている
- 個別のベランダがある
- 角部屋である
- 玄関が広め
- 南西(占い師おすすめ)
「ペットのかかりつけの病院があって、生まれ育った地で友達も多いので、場所は柏に限定して探していました。」と、検討エリアで悩むことはなかったそうですが、ここで大きな問題が発生。
「占い師にお勧めされた南西向きに条件を絞ると、柏には希望する新築物件がものすごく少なかったんです。」自分のこだわりがしっかりとあっただけに、あてはまる物件が見つからない状態になってしまったそう。
そんな中、希望の新築ではないものの、石島さんのこだわり条件に合う築浅物件がたまたま出てきて、すぐに見にいくことに決めたそうです。
「そこからはすぐでした。見に行って即契約、みたいな流れでした」とトントン拍子に話が進んだとのこと。
石島さんに成功の要因を尋ねると「思い立ったら即行動という、女性ならではの速さですかね?」と、女性特有のスピード感が結果として良い契約につながったのではと振り返ります。
「どうしても我慢できない。欲しくなっちゃったら、待てないんですよね」と少し照れながら話してくれました。
マンションを購入して・・・今の本音は
「(マンションを)やっぱり買って良かったです」と言う石島さん。そこには飼い猫のことや「借りぐらし感」からの脱却以外にも理由があるとのこと。
「購入した時にガラッと内装を変えたんです。壁紙を全て自分が好きなものに取り替えたり、お気に入りの洗面台を設置したりと、とにかく自分好みの部屋になるようにしました」と笑顔で答えてくれました。「借りぐらし感」から一転、大好きな自分の家を手に入れることができたようです。
また建物全体を見た時に、解放廊下と部屋がきちんと遮断されている構造も魅力だといいます。すごくプライベート感があって落ち着くのだとか。賃貸の時には誰でも入れる外階段でしたが、今はオートロックでセキュリティ面も心配なし。
そんな石島さんの住むお部屋は高層階の角部屋にあたり、近隣に高い建物がないことも手伝って非常に景色が良いです。普段からベランダで何かするというわけではないそうですが、それでも朝起きてカーテンを開けた時に、遠くに筑波山を望む景色が広がるのは最高の気分とのこと。
悪い点や後悔したことはないか?と聞いたところ、「1つだけあります。」と正直に答えてくれました。
「マンションの総戸数が少なくて、修繕積立金が結構高いんです。」というお話でした。購入前からその点は理解していたそうですが、「それでも欲しかった」と笑います。全てが理想通りではなくても、結果的にとても満足できる物件にめぐり会えたようです。
この日は取材予定時間を大幅に上回り、本当に色々なお話を聞かせていただきました。素晴らしい景色、自分好みな内装の部屋、飼い猫と、好きなものに囲まれて暮らす石島さん。その笑顔はとても素敵で、「家を手に入れる幸せ」を実感されているようでした。